萩野池のほとりに伝説の説明板があります。以下のことが書かれています。
良く晴れた夕暮れどき 池の端を歩くと どこからともなく「カラッコン、カラッコン」と機を織る音が聞えてくるという。
この機織り姫は戦乱の世 この池に身を投じ壮烈な最後を遂げた若くして美しかった萩野城主奥方の化身だと村人は伝える。
萩野の村に祝言や葬儀があった時村人はこの池に向って、お頼みをすると翌朝必ず必要量の膳椀が池の端に並べられ村人は有難く借用に及び、すがってきたのだが、ある時一人の不心得者がお借りした一部を私戝に残すという不始末があってからは村人が池に向ってどんなにお頼みをしても池は沈黙のままでお借りすることはできず、その上機織りの音も途絶えて仕舞ったという。
平成八年五月吉日
信州新町歴史蹟研究者
長野郷土史研究会員竹内