峰街道で若返ろう -天空の道 峰街道-
【峰街道とは】
峰街道は長野市善光寺(北国街道)と大町市大黒町追分(千国街道)を結ぶ、歴史ある峰街道です。
俗に「つるね道」と呼ばれ、蔓や根のように長く伸びて連なった、峰つづきの道です。
街道沿いには多くの集落をはじめ、戸隠三院跡や社寺・仏閣が多数存在し、古くから麻の道、善光寺・戸隠への参詣の道として戦前まで多くの人々に利用されていました。
特に長野市・大安寺から大町市・湯の海までの区間は標高約800m、道のり約25kmの峰街道であり、北に戸隠・虫倉山山系、西に北アルプス、南に聖山・浅間山を眺めることができる、理想の眺望道路となっています。
峰街道と呼ぶ道は古い峰街道に沿って車が通行可能な道(林道・農道)としてあけた道を指します。本当の古道はその車道から枝分かれし、山道として存在しています。峰街道の会では、車道、古道を含め、その名称を「天空の道 峰街道」とします。
峰街道の維持管理体制は、山の中の集落の限界集落化や街道そのものが、長野市(信州新町)、長野市(中条)、小川村、大町市(美麻)の境界線上にあるため非常に難しく、廃道になりつつあるのが現状です。
【信濃毎日新聞記事(2018.1.18)】
峰街道とは
かつて千国街道(塩の道) 大町宿と北国街道善光寺宿を結ぶ主要道路として使われた。山々の峰伝いを通る。
縄文中期の遺跡や善光寺を示す道標、戸隠神社信仰の跡、松代藩の番所跡、神社、松尾芭蕉の句碑などが点在。川を渡ることなく険しい地形も少ないため、人々は旅の安全のため見通しの利く この道を通行し、明治初年まで旅籠(はたご)や茶屋、雑貨屋などがあったとされる。
峰街道の会
長野市の善光寺と大町市をつなぐ交易路だった「峰街道」を観光ルートとして復活させようと、有志が2018年度、住民組織の結成を目指す。
標高約800㎡を峰伝いに進む車道で、北アルプスなどの眺望が魅力だ。明治期までは一帯の幹線道路として利用されたが、現在は荒れて通れなくなった区間もある。観光資源としてのPRを強め、 案内板や眺望デッキの設置なども検討、沿線自治体などに整備を働き掛ける計画で賛同者を募っている。
住民組織は「天空の古道〈善光寺―大町峰街道〉の会」(仮)称)。街道のうち、長野市七二会の大安寺から上水内郡小川村を経て大町市美麻の二重に至る約20㌔の区間の活用を検討している。眺望のほか、沿線に残る番所や分校跡、石碑も魅力だ。行政の協力を得て安全な通行を確保し、ウォーキングやサイクリングでの利用拡大を目指す。地域の歴史同好会にも加盟を呼び掛ける。
現在、一部は未舗装で、特に長野市と大町市境の約2kmは、深いわだちがあったり植物が茂ったりして通行できなくなっている。両市によると、住民減少などで通行量がほとんどなく、整備に手が回っていないという。
こうした状況に、街道からの景色に20年来魅せられてい埴科郡坂城町の坂口幸男さん(68)や、小川村の建築士横矢吉弘さん(5)ら7人が発起一人となって住民組織の設立を計画。街道の価値に再び光を当て、地域活性化につなげることを目指す。
峰街道は、北側を並行して大正期までに県道長野大町線(現在の通称・オリンピック道路)が通ったことで通行が減少した。
昭和30年代中ごろに活性化の機運が盛り上がり、沿線自治体による「アルプス展望有料道路推進協議「会」が結成されたこともある。延長29億7千万円余かけて整備する再開発計画を練って現地調査も行われたが、立ち消えとなったという。
1986年にも計画が再浮上し、長野・大町市を中心に期成同盟会が早期着工に向けて運動したものの、やはり実現には至らなかった。
同じく大町市を通り、日本海と松本平を結ぶ「塩の道」(旧千国街道)は、年間3万人が歩くとされる。坂口さんは峰街道も観光面の可能性があると期待し、「昔から観光地としての開発の話があった素晴らしい場所。活性化に貢献できるはず」と強調。横矢さんも「今年の春や秋に歩く催しを開き、街道の名前を定「着させていきたい」と話す。